一品ダイエットというのをご存知ですか?
その名の通り、食品を一品だけしか食べてはいけないダイエットです。
古くはアメリカで70年代にはあったそうです。
私は昔、りんごダイエットをやってみたことがあります。
りんごダイエットの本を読み、成功例の写真も見て、やる気まんまんでした。
さっそくりんごを買い込み、毎食りんこを食べ続けました。
元々りんごは好きでしたし、甘くて噛みごたえもあってこれは続きそうと思いました。
ところが、一週間も経たない内に身体に異変が起こりました。
いくらりんごを食べても食べても空腹が収まらないのです。
お腹に巨大な穴が空いたようでした。
りんごは医者いらずといわれるほど健康にいいはずなのにどうして?
あまりの空腹感に耐え切れず、ふらふらと冷蔵庫に向かいなにかを食べました。
後になって知ったことですが、一品ダイエットで栄養バランスが狂った身体が必要な栄養素を求めて悲鳴を上げていたからなんです。
また人体を構成する必須アミノ酸の数々も不足しており、特に肉の脂肪から取れるものが不足していたのでしょう。
仮にりんごダイエットを続けていたら、私はりんごで満腹の腹を抱えて餓死していたことでしょう。
人間が生きていくにはさまざまな栄養素をバランスよく摂取することが必要という極めて当たり前のことを忘れていた報いでした。
理想的な正しいダイエットなんて、誰でも知っています。
適度な運動と適度な栄養とカロリー制限。つまり食べ過ぎない。
学校を卒業した人間なら少し冷静になれば極めて明白なことです。
それなのに目先に新しいダイエットが現れるとすぐに飛びついてしまう。
最近だけでも、納豆ダイエット、朝バナナダイエット、ヨーグルトダイエット、きな粉ダイエット、酵母菌ダイエット……無数にあります。
こういったものは置き換えダイエットといい、普通の食事の代わりに、なんらかの低カロリーな食品で補う、というものです。
しかしこれも冷静に考えれば、特定の食品に限らなければならない理由なんてないんです。
食事というものは必要な分だけの栄養素を補給できればよく、これでなくてはダメだ、なんて食品なんてあるわけないのです。
なにより同じものばかり食べていたら飽きてしまうでしょう。
ダイエットは単純な算数に過ぎません。
身体が使ったカロリーよりも多く食べたら体重がプラスされ、少なかったらマイナスになる。
ある特別な栄養素によって増減するものではありません。
もし減るものがあったとしたら人体にとっては毒です。
将来画期的な発明で、体重を減らせる薬が発明されでもしない限りですが。
ダイエットに王道なし。